市民参加のスタイル
市民が参加する市民球団。聞こえはいいんですが、なかなか具体的なスタイルが思い浮かんできません。
プロ野球と市民との関係は、特定の贔屓(ひいき)チームをファンとして応援するというスタイルが一般的です。この場合、ファンは球場へ行ったり、TV、ラジオ、インターネットなどで試合の経過や結果を見たり、関連グッズを購入したり。。。というスタイルでプロ野球との関わりを持ちます。
しかし、これだけでは市民が参加しているというイメージにはなりません。市民参加のスタイルにはどういったものが考えられるでしょうか?
1.球団傘下の底辺のチームでプレー
市民参加のスタイルとして、なんとなく思い浮かぶのは、ピラミッド型の階層をもつ球団の底辺のチームに気軽に参加して、観戦するだけでなく自らもプレーをして楽しむという方法です。将来のプロを目指すリトルリーグから、全くの草野球チーム、高齢者のチーム、女子のチーム、町内会のチーム、ソフトボールを楽しむチームなど、バラエティに富んだチームを市民球団の傘下に置くというのもよいかもしれません。こういったチームは既に多数存在するんでしょうけど、トップにプロ野球の球団を抱えているという点で参加者の意識が大いに高まるのではないかと考えられます。
2.球団の運営に参加
市民参加という言葉から、市民が球団の運営に参加するというスタイルが連想されます。運営というカテゴリーに参加するということで、自分たちのチームであるということを強く認識できると思います。しかし、経営というのはそう簡単なものではありません。あくまでプロとして経営を行う球団と、ボランティアやNPOといった市民グループとの棲み分けをどう行っていくかが鍵になると思います。
3.市民活動の一環として参加
世の中、野球が一番、という人だけではありません。そういった人たちを市民球団へ誘い込むには、何らかの活動を通して参加させるという方法が考えられます。例えば、街の美化に関心のあるボランティアグループを試合の観戦に招待し、球場の周りや試合後の球場内のゴミ掃除の実施や呼びかけを行ってもらうとか、心の病を治そうという目的で設立されたNPOに、市民球団の試合の観戦や応援、運営のお手伝いといった活動を、治療やリハビリのプログラムに取り入れてもらうといった方法です。
いずれの場合も、市民参加を通して、単に野球を観戦するといった受け身の姿勢ではなく、自らの意志で自発的な行動を行うというところに市民が参加する楽しみや意義を見いだしていければよいのではないかと思います。
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コメント
>市民が参加する市民球団。聞こえはいいんですが
まさに聞こえはいいんです。でも、バラ色のイメージだけを強調するのは危険ですね。運営に参加するということは当然厳しさを求められることでしょう。こんなはずじゃなかったということのないように、今のうちからしっかりと現実認識をしていくことが必要だと思っています。
>1.球団傘下の底辺のチームでプレー
本当に参加してしまうんですね!練習などの際にトップチームの選手たちと同じものを使う、なんてことがあるかもしれません。さすがにそれはないにしても気分が違います。
大阪ドームの深夜利用がありますが、使用費を回収する目的だけという印象を与えがちだったのが残念です。それでも協力したいとは思っていましたが。
2.3.も大変興味深く拝見しました。
幅広い市民による運営への参加は経済の活性化だけにとどまらないということですね。
市民球団を作り上げていく過程にも、市民の社会参加の意識を促す効果が十分あると思っています。野球を見る楽しさだけではない、ということでしょうか。国民スポーツと言われてきた野球の世界で市民の参加をぜひ実現してみたいです。できれば他のスポーツともつながって、などと夢(妄想)は果てしなく…
そんなことが実現していったらプロ野球のイメージは随分変わっていくと思います。
ただ、市民運動というか正しいことをやっているんだ!みたいな雰囲気になってくると一方で寂しさも覚えるのです。球場が時として持つどこか背徳的な匂いはもう戻ってこないんだろうなという寂しさです。私が古い人間だからかもしれません。時代は移り変わっているのでしょう。
ジレンマもきりがありません。整理しなければいけないことは私の中にたくさんあるようです。
いろいろな覚悟を迫られている気がしています。
投稿: m | 2005年4月20日 (水) 22時32分
1は端的に言えば、プロアマの線引きをくっきりしているプロ野球より、ピラミッド型のJリーグスタイルの方が望ましいかなということですね。
2や3は東北楽天なんかでは試されてるようです。ただ、ボランティア的な組織というのは、継続性や責任の明確化といった点で曖昧な点もあるようで、すぐにうまくいくというものでもないようです。
それと、仙台の東北楽天や新潟のアルビレックスの場合は、「他に同じプロスポーツチームのライバルがいない」ため、地域ぐるみの応援がしやすいという点がありますが、大阪の場合は、くどくなりますが「阪神」という存在があるため、地域ぐるみの応援という体制を組みにくいという点がやっかいです。ミナミをホームタウンにという構想を考えてみましたが、ミナミのエリアの中に「阪神一筋」という商店主はいくらでもいるでしょうから。。。
>球場が時として持つどこか背徳的な匂い
近鉄臭いというあの匂いですか?
投稿: 紅の牛 | 2005年4月21日 (木) 01時14分