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2005年4月19日 (火)

市民球団のジレンマ

市民球団のかたちをあれこれと考えてみましたが、まだまだジレンマを抱えるところが多々あります。その辺を少し考えてみたいと思います。

1.企業の関与
市民球団設立準備室の構想では企業は選手の年俸のみを負担するというスキームです。しかし、大阪ドームに本拠地をおいた近鉄球団の収支は年間でマイナス50億円。もちろん、収入を増やして支出を減らす方策を考えることになるのでしょうけど、どうしても、企業サポーターには年俸負担以上の負担をお願いしないとやっていけないのでは?と思えてしまいます。しかし、球団名に企業名が入らず、70分の1に薄まった広告効果に対し、どこまで負担してもらえるのか?「企業サポーターの地域密着」のところでアイデアは出してみましたが、負担増加を受け入れてくれるアイデアまではまだまだという感じがします。また企業の関与が強くなれば、市民球団という言葉が色あせてしまうというジレンマがどうしても残ってしまいます。

2.市民の参加
「市民参加のスタイル」でいくつか考えてみましたが、どうもまだしっくりときません。
市民参加の市民球団というのは、単刀直入に言えば、ファンとして試合の観戦やグッズの購入をお願いするということに加え、市民に球団運営に必要な資金と労働力を提供してもらうということになるのではないでしょうか。
「市民でつくった球団」を持てるという充実感。。。それを目的に多くの人に参加してもらうというのが理想でしょう。しかし、多くの人は「市民でつくった球団」というイメージに好感を持つとしても、自分が資金や労働力を提供するということに対しては難色を示し、協力するのは「見返り次第」となるでしょう。しかし、用意する見返りが大きくなればなるほど、自らの意志による自発的な行動を基本とした市民参加の理念とかけ離れていってしまうというところにジレンマがあります。
市民球団に参加する市民の数は膨大です。そしてその市民の趣向や要求は多種多様です。「みなさんの意見を取り入れます」といった途端に何ごとも決まらなくなってしまうというジレンマもまた存在します。

3.近鉄色
いうまでもないことですが、近鉄色を強くすれば元近鉄ファンは集まるけれど、それでは少数派。近鉄色を弱めれば、元近鉄ファンとして市民球団の設立を願うという気持ちが揺らぐというジレンマです。

しかし、いつまでもジレンマを抱えていては前に進みません。何とかして解決する道筋を見つけたいものです。まずは現状把握のため、いろいろな人の意見を聞いてみるのがよいのではないでしょうか。

1.企業の関与
まずは、市民球団設立準備室の考えをより詳細に聞いてみるに限ります。
今の市民球団のスキームで本当に採算性はあるのでしょうか?
2.市民の参加
これは、「元近鉄ファン以外」の人の意見を数多く聞いてみるのがよいのでは。
自らが資金や労働力を見返りなしで提供することになる市民球団を望んでいますか?
3.近鉄色
これは、「元近鉄ファン」の人の意見を数多く聞いてみるのがよいのでは。
近鉄色の薄い市民球団を応援したいと思いますか?

まだまだ、答えが見つかりません。。。

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コメント

自分の中で最大のジレンマと申しますか…。
結局、熱意はともかく近鉄ファンの数は少なかった、と認めざるを得ません。復活できるほどの支持があればそもそも合併案さえ出なかったと強引に結論付けてしまうこともあります。ですから、この辺ですっぱりと近鉄復活への想いに決別することが必要かもしれません。
ところがそう簡単に思い切れるものではありません。未練がましいですね。なかなかつらいところです。
思い切れないのは、第一には近鉄バファローズが決して他のチームに見劣りするような球団ではなかったと思うからです。
魅力がいっぱいあることをもっと多くの人に知ってほしかったと思います。消滅してしまう前に。

投稿: m | 2005年4月20日 (水) 12時47分

コメントを頂きありがとうございます。

>結局、熱意はともかく近鉄ファンの数は少なかった、と認めざるを得ません。

私としては、ファンが少ないところに逆に希少価値的な存在価値があったという思いもあります。けど、それでは経営をやっていけないってことですね。かといって、大衆受けする球団っていうのは好きになれそうもないし。。。

近鉄色を「近畿日本鉄道という会社の経営への関与」や「近鉄バファローズというチーム名や過去の歴史」に求めるのではなく、チームカラー(雰囲気とか、赤・紅に象徴されるイメージ)ととらえましょう!と踏ん切れればいいんですが。。。

投稿: 紅の牛 | 2005年4月21日 (木) 00時50分

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「夢球団設立連絡会」は“大阪に市民球団を創ろう!”を合言葉に 市民から賛同者を募り、ファンの繋がりを広げ、市民球団の設立を目指しています。 と言っても実際には、しっかりとした構想がまとまっている訳ではありません。「どういう形かははっきりしないけれども、市民参加型の球団っていうのがあればいいなあ」と思っていらっしゃる人たちとの輪をこれから広げようとしているところです。そして、より多くの人たちと一緒に�... [続きを読む]

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