弱いチームをいかす戦略
東北楽天ゴールデンイーグルスは、新規参入の開幕が始まってまだ1ヶ月足らずというのにGM、ヘッドコーチ、打撃コーチを解任、降格させました。いくらプロの世界とはいえ、1ヶ月足らずの交代は早すぎるのではないでしょうか。もちろん、勝率2割はひどすぎます。しかし、これが讀賣ならまだ理解できますが、不公正な分配ドラフトを下地にした楽天というチームの敗因を、なぜこの3人が負わなければならないのか?そんなにこの3人が悪いのなら、この3人を任命した人も責任をとるべきでしょう。
もちろん、プロなんだから、勝つことが目的。パリーグの場合はプレーオフがあるので、Aクラス入りが最低限の目標となるのでしょう。しかし、この競争はゼロサムの世界なので、プレーオフに行けないチームが必ず3チームはでてきます。5年後ならいざ知らず、今年の楽天の戦力なら、プレーオフに行くことを前提に戦略を考えるより、まずは負けても応援してもらえるチームを目指すべきでしょう。もちろん、何年間も最下位が続くのはいけません。でも、「今年だけ」はファンも許してくれるでしょう。何度もいいますが、あの分配ドラフトは新規参入球団にとって極めて不利な制度です。礒部選手、吉岡選手、岩隈投手、福森投手など大阪近鉄バファローズの一部主力選手が統合球団行きを拒んで結果的に楽天入りしたため、かろうじてプロのチームの体裁を保っていますが、もし統合球団の経営者にセンスがあって、統合球団が魅力的な球団になっていて、近鉄で拒否する選手がいなかったら。。。
そうはいっても、負けが込んでくると、選手もファンも嫌気がさしてきます。しかし、逆に負け続けることで人気を得ることもあります。ハルウララがその典型です。市民球団が楽天以上に弱い戦力で参入することを強いられたら、逆に参入1年目は、負けることに商品価値を見いだす戦略というのを考えたらどうでしょうか?例えば、負け試合で試合終了まで応援してくれた観客に「お詫び」のお土産を渡すとか、負け投手は試合終了後にグランド一周して頭を下げて回るとか。。。もちろん、そうすることで選手の発奮を呼び、勝ちに転ずるという期待も込めての提案(まぁ半分冗談ですが)です。
楽天の場合、少なくとも、今年弱いのは「必然」です。弱いチームを生んだ真の責任は、NPBのリーグ運営に対する哲学のなさと自球団のことしか考えないオーナー連中にあると考えるべきです。そして、不幸(?)にして、そういう弱いチームのオーナーとなってしまったら、「人間、開き直った方が強くなれる」くらいの気構えを持つべきであり、どこかの会社の日勤教育みたいなことをやっていてはチームの士気は落ちるばかりです。
そして、いつも最後の犠牲者となるのは末端のファンであり、どこかの電車に乗ってしまった乗客です。
ここで、尼崎の事故で亡くなった106人の方のご冥福をお祈りいたします。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント