大阪市民球団の地域密着はどこで?
「地域」というのは広辞苑によれば、「区切られた土地」。やはり、ある程度、ここからここまで、と区切ってやらないと具体像が浮かんできません。大阪市民球団に関わる市民はどの程度の広がりも持った地域で考えればよいでしょうか?
まず、本拠地(とする予定?)の大阪ドームへのアクセス時間を考えてみます。大阪ドーム前千代崎から乗り換え時間を含む主要駅(JR)までの時間(新幹線・特急は使わない)は、京都:60分、三宮:63分、大津:70分、奈良:61分、和歌山98分。平日ナイターのアクセス可能圏を考えると、1時間半を超える和歌山が限界ギリギリで、それ以外は十分に圏内であると言えるでしょう。そこで、乗り換えを含む鉄道乗車時間がほぼ1時間半の地域を「大阪ドーム圏」と名付けてみます。具体的には、京都・三宮・奈良から30分以内、それに和歌山を含む関西の主要都市がほとんど含まれる広域な地域になります。要はこの範囲に居住する「市民」を固定客として取り込むことが最重要と考えられるわけですね。
次に市民の活動範囲を考えてみます。これは日常的な活動という意味ではなく、大阪市民球団を支えるNPO法人の「スポーツ(特に野球)をやる・みる・考える活動」を行っていく範囲です。一つの候補は、対象とする市民が居住している地域である「大阪ドーム圏」とする考え、もう一つの候補は大阪市民球団の保護地域となる大阪府に限定する考え。どちらにしても一長一短ありそうです。
ここで、今はなき福岡ダイエーホークスの戦略を取り上げてみます。それは、「福岡限定の市民球団ではなく、九州全域を対象とした地元球団を目指そう」というものです。「市民球団」という言葉のイメージを、狭い地域をテリトリーとした球団としてとらえていたのでしょう。まぁ「地元」が九州全域を示すというのは議論の余地がありますが、とにかく九州全域をテリトリーにしようというのが福岡ダイエーホークスの方針だったわけです。具体的には、ドラフトで九州出身選手を積極的にとる、ファームの試合を九州各地でやる、主力選手が自主トレとか野球教室開催を九州各地でやるといった方策で九州各地にファン層を拡大していき、その戦略は見事に当たりました。
九州におけるホークス球団の敵は全国区の讀賣でした(福岡では西鉄を引き継いだ西武でしたが^^;)。でも讀賣はキャンプで宮崎に来てるけど、普段は九州に来ないわけだから、ホークス球団のやる気次第でファンを奪うことは十分に可能だったわけです。一方で、大阪市民球団の敵は阪神。こちらは、関西を本拠地としている球団であり、同じように平日ナイターのアクセス可能圏として「甲子園圏」というのを考えると、「大阪ドーム圏」とは、和歌山方面と奈良方面を除いて、かなり広い範囲でラップしてしまうんですね。要はこのラップする範囲が阪神との競合範囲になってしまいます。また阪神の場合、地域密着と言うより、今や讀賣をしのぐ勢いの全国区の人気を獲得していますから、「甲子園圏」の外でも競争力があるというやっかいな存在です。したがって、大阪市民球団では、阪神の存在、そして甲子園と大阪ドームの位置関係を十分に考慮して地域戦略を立てていく必要があります。
大阪市民球団の地域戦略(「大阪の地における市民球団」でも考えましたが)は、「大阪ドーム圏」を神戸方面・京滋方面・大阪府・奈良&和歌山方面の4つの地域に分けて考えるのがよいのではないでしょうか。
・神戸方面
これは間に甲子園を挟むワケですから、頑張らない方が賢明。甲子園をまたいで阪神と勝負するなんて、まともな経営者なら想像もしないでしょう。神戸に本拠地をおいて広域連携するなら、四国方面や岡山方面へ延びていくべき。広島?それは遠すぎます。色を考えたって赤と青は相容れないのはもうわかってるはずなんですが。。。ちょっと脱線しました(^^;
・京滋方面
プロ野球の未開拓地。よそもんを受け付けない難しい土地柄ですが、パートナーを見つけて乗り込んでいけばチャンスはありそう?パートナーの力量次第というか、既に地域密着しているパートナーがつくことが必須条件。
・大阪府
阪神は大阪府の球団じゃない!それを全国のプロ野球ファンに知らしめるのが大阪市民球団の存在意義と言えるのではないでしょうか。そのためにはホームタウンと呼べる拠点つくりからはじめる必要があると考えます。当然のことですが、ここが対阪神の主戦場。ここをとらなければ話になりません。あらゆる知恵と多くの資金を投入して、少なくとも阪神と拮抗する人気・支持を得る必要があります。阪神に勝つのは無理かもしれません。でも最低限ライバルと認識してもらわなければいけません。そのためには様々な対立軸を用意し、「阪神との違い」を演出していくのがよいかと思います。キーポイントは行政の支援(大阪府と大阪市が頼りにならないのは重々承知の上ですが^^;)。球団を直接支援してもらうのは無理でしょうから、もうすぐ大阪市の所有物となる大阪ドームと、球団を支援するNPOを行政が支援するというスキームがよいと思います。で、願わくば、大阪ドームの指定管理者に球団の運営会社がなる。。。
・奈良&和歌山方面
地理的な優位性を活かさない手はありません。人口は少ないとはいえ、元近鉄ファン、元南海ファンがウヨウヨといるわけですから、徹底的な地域密着で阪神ファンを一掃してしまいましょう。資金の投入というよりふれあい重視(あえて言えば選手を含めた人の投入)のローラー作戦が必要でしょう。なお戦略上は大阪の南部もこちらの地域と一体化した方がよいかもしれません。
ということで地域戦略に、大阪府→→奈良&和歌山方面→京滋方面→→→神戸方面という優先順位をつけて考えてみたいです(京滋方面の優先度はパートナー次第で変動あり^^;)。
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