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2005年6月 1日 (水)

ユニフォームの広告

以蔵さんより、ユニフォームの広告についての意見を頂きました。あまり深く考えていなかったところなので、少し考察してみたいと思います。

---以蔵さんのコメントの引用---

野球チームのユニフォームは同一意匠が原則です(何処かの規約に必ずあるはずです。スパイクとグローブとバットやリストバンドや手袋には適用外)。それに従えば各選手の肩とヘルメットの広告も同じでなくてはいけません。広告を胸に貼るのがOKかどうかはNPBの規程で許されてるかどうかは要調査ですが、これもありでしょう。年間を通して同一意匠の規程はないですから、毎試合広告を変える事を提案しました。

---引用終わり---

まず、野球協約の記載事項について確認してみます。

野球協約第167条(ユニホームの標識)
試合に着用するユニホームには、統制された背番号を用い、胸章および腕章は、所属連盟会長により承認されたもの以外の文字または標識を用いてはならない。

広告ロゴについては、実行委員会での申し合わせ事項として、セリーグの公式HPに次のような記載があります。

・広告ロゴ貼付はヘルメット、ユニホームともに1箇所のみ。
・広告ロゴの大きさの制限有り。
・広告ロゴ貼付は所属連盟への事前届け出が必要。
・ビジター時の広告ロゴ貼付はセリーグは×、パリーグは○。
・シーズン中のユニホームの意匠の変更は事前に届けていれば○。

まず、野球協約を見ると、当然ながらユニフォーム(野球協約ではユニホーム^^;)の同一意匠について記載がありますが、ここに書かれているのは、背番号、胸章、腕章についてであり、広告ロゴについての記載はありません。広告ロゴについては、実行委員会の申し合わせがありますが、そこには全員が同じ広告ロゴという制限はありません。選手ごとに違う広告ロゴというのは前例がないでしょうから審議の対象になりそうですが、少なくとも規定でダメということはなさそうです。また試合ごとに広告ロゴを変えるというのは、事前に(シーズン開始前にということでしょうね)届けていればよさそうです。胸に広告ロゴを貼るというのは微妙。。。申し合わせ事項にあるのは、ヘルメット、ユニホームともに1箇所のみという記載のみであり、ユニのどこなら○、どこなら×とは書いてません。ただユニ袖と胸の両方というのは明らかに×。

で、多数の企業の広告ロゴを使いわける場合、選手ごとに変えるのと、試合ごとに変えるのとどちらがよいでしょうか?

選手ごとに変えるメリットは、企業×選手のサポート関係が明確になり、広告ロゴ以外にもCM起用とか、何らかのイベント出演とかで統一イメージが図れるという点。年間を通して広告効果があるという点。年間を通して同じユニフォームを着用できるという点(広告ロゴを毎試合取り替えるのって結構大変そう!?)。

試合ごとに変えるメリットは、露出効果が大きい点、広告ロゴを含めたユニフォームの統一が図れる点。

いずれにしても、年間を通じて全選手で同じ広告ロゴを用いる場合に比べて、広告効果は減少します。また、選手ごとに変える場合には、選手の活躍度、投手と野手の露出効果の違いという格差が生じますし、試合ごとに変える場合には、曜日や対戦相手、優勝がかかった試合と消化試合といった格差が生じます。これらの格差(=広告効果)をどうやってコストに換算し、各企業に分担させるかというところが難しいですね。

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コメント

 紅の牛さん,5/29即日にコメントいただき有難うございました。
 前回の「広告のコメント」について補足説明したいのですがヘルメット・ユニ袖にも可能だと思ったのは、共同出資経営企業4社が「一つの親会社」と解釈した場合には、他チームと同様にビジター用ユニの胸マークに貼ることができると思ったのですがどうでしょうか?
 またパンツ丈については、ソフトバンクがパリーグ理事会で提案した記事を読んで可能かなと解釈しました。
パンツ丈の広告については、社会人野球チームにも採用されていますので、アルファベット表示のロゴだったらデザイン的にそれほどの違和感は感じません。
 プロ野球と広告のあり方についてですが、“モータースポーツ・プロサッカー”を参考にすれば何か良い知恵が出て来ると思います。
 「大阪市民球団」の経営安定のためにはファームチーム名の命名権売却も一つの手段だと思います。
出来れば地元の企業に買ってもらえば嬉しいですが。
 
 プロ野球に新規企業あるいは経営に興味のある企業が楽天、ライブドアの様な「成り金企業」ばかりでは、かつての日拓・太平洋のような短期に球団を売却する可能性が充分にあります。
 大阪市民球団にはJリーグの様な多方面の支持を集めた球団経営をお願いしたいですね。
 ファンの支持が得られない「不人気球団オリックス」、地元仙台に根付く気の無い「ケチケチ球団楽天」を見れば、大阪市民球団・神戸新球団に微風ながら追い風が吹いていると思います。
 私もですが6/4、6/5に藤井寺球場に別れを告げたに来た人々に報いるためにも「大阪市民球団・神戸新球団」を誕生させたいね。

投稿: 池島 | 2005年6月 5日 (日) 16時35分

池島さん、コメントありがとうございます。

>共同出資経営企業4社が「一つの親会社」と解釈した場合には、他チームと同様にビジター用ユニの胸マークに貼ることができる。。。
野球協約などによれば、胸マーク(1ヶ所)とユニ袖(1ヶ所)は標識、ヘルメット(1ヶ所)とユニ袖(1ヶ所)は広告ロゴという扱いになっています。
まず、標識の方は統一性が求められそうなので、選手ごとに違う企業名が入るというのは難しいと思います。一方で、例えば対戦相手ごとに異なる標識を用いるというのは可能。また球団名に用いている企業名を標識として用いるのも当然可能。問題は、球団名に用いない共同出資経営企業4社の各々の企業名が標識として認識されるかどうかです。例として、オリックスバファローズでは、オリックスロゴは標識、近鉄ロゴは広告扱いになっています。何を持って標識とするかということは明文化されておらず、その判断は実行委員会にゆだねられているようです。東北楽天ゴールデンイーグルスは、ユニ袖に楽天市場(標識)と楽天トラベル(広告)のロゴを用いようとして申請し、パリーグでは了承されましたが、セリーグに「楽天市場は親会社の楽天そのものでないため広告とみなされる」ということで却下されました。この曖昧さ、足の引っ張り合いが何とも言えませんね。

>パンツ丈については、ソフトバンクがパリーグ理事会で提案した記事。。。
これは知りませんでした。OKなら参考にはなりますね。

>“モータースポーツ・プロサッカー”を参考に。。。
F1やバイクのmotoGPにはかなり興味があります。でも、モータースポーツの広告と市民球団はどうしても結びつきません。。。サッカーは広告に限らず、あらゆる面で参考になりますね。もちろんサッカーの真似ばかりではいけませんが。

>「大阪市民球団」の経営安定のためにはファームチーム名の命名権売却。。。
一軍のチーム名から企業名をはずし、ファームでは命名権売却というのは、うまく理由付けしないと、市民球団の理念と整合しない可能性がありますね。ファームで命名権売却するなら、地域に密着した名称(例えば大阪南部を基盤とする鉄道会社など^^;)にする必要がありますね。他に、ファームチーム名は、共同出資経営企業のうち、オーナーを出している企業名を付けるという方法もありますね。

>大阪市民球団にはJリーグの様な多方面の支持を集めた球団経営。。。
北海道日本ハムも複数の地元の大手企業から出資を受けています。要は「複数の企業」と「市民」、さらには「地元自治体」をどういう形で関与させていくのがよいのか?そのスキームを見出していくのが最大の課題であると思います。

>藤井寺球場に別れを告げたに来た人々。。。
その想いを大事にしたいですね。

投稿: 紅の牛 | 2005年6月 6日 (月) 20時01分

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