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2005年10月26日 (水)

千葉ロッテ、認定日本一!

3試合で30対2。。。日本シリーズというのに試合になってません。このままでは暴動が起きかねません。もう4戦目をやるまでもないのでは???ここまでくると、プレーオフで盛り上がってきたチームと待ちぼうけを食らったチームの差としか言いようがありませんね。プレーオフ制度の弊害はまた後日、考えたいと思いますが。
今日の試合もニュースでしか見ていませんが、6回裏、相手のミスで二死三塁となったところで金本選手の凡退。気持ちで乗るタイプの兄ヤンがなにか気抜けしているように見えてなりません。しかし、ここから全部1点差で阪神が4連勝、という展開もありうるのが野球の面白いところ。千葉ロッテの鬼門は9回裏の小林(雅)投手でしょうか。特に4点リードで迎えたら、プレーオフの再現がないともいえません!?
それにしても阪神は、上場問題で水を差され、日本シリーズ本番はいいとこなし、兵庫で予定されていた優勝祝賀会も中止。3年で2回も優勝すべきチームじゃないってことでしょうか。
近鉄亡き後もパリーグファンということで、10.19の立て役者?ロッテに怒濤の4タテを決めてもらいたいと思っております。

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2005年10月23日 (日)

市民球団のチャンス!?

野球協約第27条によれば、球団は資本金は1億円以上の日本国国法による株式会社でなければならないとされています。この条項には但し書きがあり、1980年1月1日現在の既存球団は、この資金に関する制限から除外されるとなっています。で、この既存球団の一つが阪神タイガースなわけです。阪神球団の資本金は4800万円。1980年に制定されたこの条項に対する既存不適格な状態を25年間放置してきた末に、球団株を上場しろと責められているわけですね。
上場するには、既存の株式を放出する場合と増資する場合がありますが、阪神球団の場合は少額資本ですので増資になるのでしょう。しかし、増資後の資本金を含めた具体的な方策が明示されていないため、実は上場によるメリット・デメリットを正確に判断できない状況にあります。
報道によれば、球団の持株会社をつくり、その持株会社の方を上場させて阪神電鉄の株主に割り当て、引き受けない株主の分をファンに割り当てるという案がありました。その持株会社の経営は誰がやるのでしょうか?球団があり、その持株会社があり、その持株会社の株主構成が阪神電鉄と阪神電鉄の株主とファン。。。阪神電鉄の株主は阪神電鉄と球団の持株会社への二重投資を強いられるわけで、ファンの持株比率も「阪神電鉄の株主で割当を引き受けない分」と非計画的。またこのような株主構成でどの程度の流動性が保たれるのか。そもそも、球団会社に100%出資している阪神電鉄が事業持株会社といえる存在なのであって、その間に純粋持株会社(自ら事業を営まず支配のみを目的とする持株会社)をかませることにどんな意味があるのでしょうか?持株会社をつくって上場するというなら、その持株会社
の役割を明確に説明しないと絵に描いた餅に終わってしまいます。
上場後の資本金についても1億円とするなら増資額はわずかに5200万円。有力な外人選手の一人も雇えない金額です。資本金を10億円に増資したとしても、毎年10億円入ってくるわけではありません。逆に株主に配当を出さなければいけないことが負担になるでしょう。また資本金10億円のうち、阪神電鉄の持株比率をどうするのか?過半数割れとするなら、球団経営の責任は誰が持つのか?
球団を経営したいとは思っていないといいながら上場すべきであるという提案。信を問うならもう少し上場後の具体像を説明して欲しいと思います。しかし、村上氏の座標軸は阪神球団の将来像ではなく、阪神電鉄株に投資した1000億円にどのくらいの利益を載せて回収できるかの一点。考えられる選択肢は3つ。市場で高値で売り抜けるか、阪神電鉄に高値で買い戻させるか、球団経営に興味を持つ第三者に売り渡すか。。。もちろん、そうやって利益をあげるのが本業のお仕事なのだから、何も悪いことはしていません。ただプロ野球が「文化的公共財」であることを念頭におく必要があるということですね。その村上ファンドへの出資比率45%の株主がオリックス。讀賣の清武代表は実行委員会でここを問題視しました。まぁナベツネ氏がTVの取材で「そうするとオリックスと阪神はキャピタル(資本)が一緒だよな」と吠えたことを翻訳して実行委員会に持ち込んだんですね。球団の保有会社が投資ファンドへ出資したら、その投資ファンドが別の球団を持つ会社の株を大量保有した。これだけなら投資ファンドは一時的に株式を保有して利益を上げるのが目的なので、特段問題もなさそうですが、目的が別なら話は別。そう、近鉄を吸収しても経営は上向かないから今度は阪神というオリックスの意図をつぶすためのけん制球かもしれません。しかし、この指摘は大阪市民球団にとってはタナからぼた餅!?
オリックスは球団を手放せということになれば、大阪市民球団が手を挙げるまたとないチャンスということになります。
市民球団が危ないと言ったり、チャンスと言ったり。。。私も頭が混乱してきました(^^;

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市民球団が危ない

今、野球協約の抜本的な改正が行われようとしていますが、阪神タイガースの球団株上場問題を受けて、「上場は悪」という一方的な認識の中で協約改悪の方向へ進むことが危惧されます。私も村上氏の言うところの球団株上場には今のところ反対ですが、資金調達の方法を多様化するとか、ファンが株を持つということ自体には賛成です。
ところで、この問題に対する豊蔵セリーグ会長の御意見は「悪質株主の介入が懸念される。ただ利益(追求)だけで持たれても、文化的公共財の位置づけからも困る。」また小池パリーグ会長の御意見は「球界、球団は普通の企業とは違って、文化的公共財。ファンあってのプロ野球でどう判断するか。」
そこまで「プロ野球は文化的公共財」というなら、なぜ昨年、球団統合を身を挺して止めなかったのか。昨年はナベツネ氏が賛成した、今年はナベツネ氏が反対している。それだけの理由で、当事者意識もなく、親会社の経営問題に口を出せないと言ったり、資本の論理を球界に持ち込まれても困ると言ったり、主張が180度転換するというのは情けないというか、あきれるというか。球団株上場という提案をどうにか活かす方法はないかということをもう少し考えてから発言したらどうなのか。それと、突然、錦の御旗に祭りあげられた「文化的公共財」の文言。この定義をしっかりとしてもらいたい。親会社の経営状況が思わしくない時は、球団の歴史と文化を守るための措置をとり、長年球団を支えてきたファンの支持を失わないようにするのがNPBとしてやるべきことでしょう。
さて、上場について話を戻します。
一般企業の場合、事業を拡大するのに資金調達をしたいというケースがままありますが、プロ野球チームの興行で求められる資金調達の用途は何でしょうか?単なる戦力補強のための上場というなら「金で選手を集める競争」が助長されるだけで、球界がいい方向へ向かうという保証はどこにもありません。一方で、新球場建設(広島の場合)や球場改築(楽天の場合)の資金調達の手段として一時的に株式を上場し、公募増資を行うというのは、広島版樽募金を資本市場で行うものであり、そのような可能性までも閉ざしてしまうのはどうかと思います。悪質な株主対策としては、種類株式の導入なども考えられます。種類株式とは、利息の配当などの財産の分配や議決権について内容の異なる株式のことをいいます。この制度を活用すれば、例えば「新球場建設資金募集」という目的に添った種類株式の設定が可能となります。議決権を制限すれば買い占めても乗っ取りはできないことになりますし、配当を抑え球場でのサービスに特化した株主優待を与えれば八百長の心配も減り、ファンや地元を中心とした球団のための投資という位置づけで資金調達ができるのではないでしょうか。新球場での経営が順調で投資資金が回収されたら球団が株を買いとったっていいんですし。
またファンが球団の株を持ち、何らかのかたちで(ゆるやかに)経営に参画してもらうということも悪いことではないと思います。というか。。。その考え自体が大阪市民球団の骨子になります。村上氏の球団株上場の提案は、大阪市民球団にとっても構想を実現させる一つの方法の提案ということになります。ただ、ファンが球団株を持ち経営に参画するという目的において、ファン以外の株主も多数混ざってくる上場という手段が?なのであり、なにわっちさんのコメントにあった「ファン出資のホールディング名義で3分の1」とか、横浜FCで実行されているクラブ会員への種類株式の発行など、実効性のある方法はいくらでもあるはずです。横浜FCの場合、法人は普通株式、個人は種類株式という割当で、種類株式に一定の議決権を与えています。それぞれ、クラブメンバー限定の発行であり、上場という手段に比べ悪質な株主が混ざるという懸念は極めて小さいといえるでしょう。
現状の野球協約の第28条をみると、「球団は発行済み株式数、および株主すべての名称、住所、所有株式の割合をコミッショナーに届けなければならない」とあります。また「株主に変更があった場合はその都度届け出る」ともあります。これが、日々刻々と株主が変動する上場を難しくしている一つの理由となっていますが、NPBが球団株主の適性を判断できない仕組みはダメだから、多数の個人株主がいる状態はダメだという方向で野球協約を改正しようとなると、場合によっては市民球団のような仕組みは門前払いということになりかねません。
楽天のTBS株取得について、「楽天は球界参入時に協約順守を誓約しているのに」いうコメントがたびたび言われています。この誓約書については「野球協約第36条の9(誓約書)」で詳しく書きましたが、楽天のようなケースに加え、「既存の野球協約に守られたプロ野球の経営のあり方を根底から見直したい」という前向きな意見さえも封じ込める道具として使われかねません。
チーム名に企業名を冠し、国税庁長官通達に基づく節税対策として企業に利用され、経営状況が悪くなればファンの存在を省みずポイ捨てされてきたプロ野球の実態。その仕組みがオリックスにはじまり、ライブドア、楽天、ソフトバンク、村上ファンドという資本の論理で動くマネー論者たちにかき回され、それを指をくわえてみているだけのNPB。大阪市民球団の構想は、ファン不在のこのような状況を何とかしなければ、という動きでありたいと思っていますが、既存球団と新興勢力の「抗争」の果てに「構想」をつぶされないようしなければいけませんね。

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2005年10月22日 (土)

プロ野球有識者会議の「愚」

プロ野球有識者会議とやらの第3回会合が10月11日にあり、3つの具体策がコミッショナーに提示されたようです。
1.コミッショナーに最高経営責任者(CEO)に相当する実質的な権限を持たせ、その下にオーナー会議、さらにその下に実行委員会を置く。
2.コミッショナー事務局とセ、パ両連盟事務局を統合して、セ、パ両会長職は廃止する。
3.第三者による諮問会議を設置し、コミッショナーに意見を提示する。
1番目の提案は、現行の野球協約で明文化されているモノ。ただ著名な法律家である根来氏の解釈によれば「コミッショナーに権限がない」ということらしいですが、コミッショナーが根来氏である限り、CEOという肩書きを与えるだけでは何も変わらないでしょう。
2番目の提案は意味不明。1リーグ化への布石なのでしょうか?「セ、パ両会長職は廃止」とはよく言ったものですが、問題は仕組みというより人事にあることが分からないのか、言えないのか。。。
3番目の提案は、有識者会議がそうなんじゃないの?と思ってしまいます。コミッショナーの発案でつくられた有識者会議でこのような提案をコミッショナーにする。。。そのココロは?笑いをとりたいのかな???
この時期に有識者が集まって、一体何を議論しているのか。有識者会議の梶原座長は「今回の阪神と村上ファンドの問題にしても、責任を持って発言できる人がいないし、迅速な対応ができない。コミッショナーが最高の権限を持つということを明確にする必要がある」と語っています。こういう前例のないややこしい問題に一つの解決策の試案を提示するのが有識者会議の役割ではないのでしょうか。それと、座長というなら、せめて野球協約くらいは読んでもらいたい。

野球協約第186条(違反または不履行)
株式所有または金銭上の利害関係の禁止条項に違反した時は、コミッショナーにより違反事実の解消を指令され、かつ情状により適当な制裁が科される。監督、コーチ、選手はコミッショナーの裁決を履行するまで、すべての野球活動が停止される。

コミッショナーに関する規定の第8条や第9条でさんざんコミッショナーは最高の権限を持つということをうたい、さらに第186条で株式所有に関してコミッショナーに指令や制裁、裁決といった権限が与えられているのだから、誰が責任を持つべきなのかは明白。問題は「情状により適当に制裁」などといった曖昧な部分や、違反しているのかどうかを判断する手段をどう担保するのか、といった運用面を考えていくのが求められていることでしょう。もちろん、野球協約の体系がなってないから全面的に改定しましょうというのは良い提案かもしれませんが、有識者が集まっているんなら、まず現在起こっている問題に対し、現行の野球協約に照らしてどう判断すべきなのか、野球協約に足らないところがあるとすればそこはどこなのか、で、どう変えればよいのか。。。そういった具体的な議論をすべきであって、コミッショナーの発案で組織された第三者による有識者会議で「第三者による諮問会議を設置」するのが良いという提案をコミッショナーに提示するなどという寝ぼけたことをしている場合ではないのである。

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2005年10月18日 (火)

千葉ロッテ優勝!。。。おめでとう(^^)

第5戦も仕事中で見れませんでしたが、1点差で終盤の逆転勝ちというスリリングな展開で千葉ロッテがパリーグを制したようです。おめでとうございます~
最後は小林(雅)が抑えたんですね。4点差じゃなくてよかったということかな。。。
何しろ、金ヤンが踊りまくっていた頃の優勝以来31年ぶりということですから、ファンにとっては一昨年の阪神優勝に勝るとも劣らない嬉しさがあるのでしょう。阪神×千葉ロッテは交流戦の中でも最も盛り上がったカードといわれていますし、球界再編騒動はおいといて、日本シリーズを楽しみたいところではあります。しかし、やはり1年間、1試合の観戦もすることなく、応援するチームもない中で優勝チームが決まったといっても高揚感もなく、また近鉄が優勝できずに残念という悔しさもなく、寂しいことではあります。
ところでホークスは、ダイエーでもソフトバンクでもシーズン1位でありながらプレーオフという制度に泣かされてしまいました。ホームの利点はあっても、第1ステージで勝ち上がってきたチームの勢いというのも短期決戦では有利な材料なのかもしれません。福岡のファンはさぞや歯ぎしりしていることでしょう。プレーオフについては賛否両論ありますが、優勝を決める試合の対戦相手は、必ず、もう一つの優勝の可能性を持ったチームであり、また優勝を決める瞬間は、必ず、チームが勝った瞬間になるという点はプラス面だと思います。ファンにとっては応援しているチームが優勝するというのが何よりうれしいことであり、優勝が決まる瞬間は喜びが爆発する瞬間なわけです。それが試合に負けたり、試合のない日にマジック対象チームが負けることによって優勝が決まるというのでは、うれしいんだけどちょっと白けちゃうって感じですよね。。。優勝の瞬間というと、近鉄は10.19の悲劇に9.26の感激、日本シリーズの21球の悪夢など、ドラマを演出してきたわけですが、まぁファンとしては優勝をかけたプレーオフを楽しめるというのも悪いことばかりではない気がします。もちろんプレーオフ制度には改善すべき点は多々ありますが。。。
ところで、昨年、ダイエーの高木社長は、産業再生機構による再建を拒否し、最後まで自主再建を目指しました。結局、最後は産業再生機構にまかせることになり、球団も手放してしまったわけですが、この高木社長の粘りがダイエーとロッテとの球団統合を反故にし、1リーグ化を阻止した大きな要因であったとも言えます。プレーオフを戦った両チームは、高木氏に感謝すべきでしょう。
そういえば、オリックスも、もう少しでプレーオフに出場できるところだったんですよね。勝率4割台でプレーオフに出場し、あれよあれよという間に勝ち上がり、阪神との日本シリーズまでも制してしまったら、どうなっていたでしょう!?
んで、日本シリーズ制覇を決めたその日に、村上ファンドとオリックスの共同記者会見で、村上ファンドの阪神株のオリックスへの譲渡と、阪神・オリックスの球団統合が発表される。。。宮内オーナー曰く「昨年はパリーグの5・6位という弱者連合でしたが、今年は日本シリーズを戦った強者連合で関西に強いチームを創ります。これでファンは喜ぶはずです。」
・・・とまぁ冗談はさておいて、千葉ロッテ、日本シリーズもがんばれっ!

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2005年10月17日 (月)

大阪に市民球団を創るという公約!

大阪市の関市長がヤミ年金問題などの責任をとって辞任するらしい。。。それはともかくとして、市長辞任に伴う市長選挙に自らも出馬するらしい!?
小泉総理の郵政解散には見かけ上の理はあったが、この人の辞任再出馬にはどんな理があるのでしょう。。。大阪市は大阪ドームの再建を断念しました。大阪ドームの再建をつぶしたかたちのオリックスは、何を思ったかフェスティバルゲートの再生に手を挙げており、この問題に片が付いたことも市長辞任の一因だったようですが。。。
関市長の辞任に伴い、関市長の任命により助役となった大平光代氏も辞任。詳しい事情はよく分かりませんが、あまりハッピーな状況ではなさそうな感じです。

この際、「大阪に市民球団を創る!」という公約を掲げた市長候補、でないかな~

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2005年10月16日 (日)

市民球団は既存球団とどう違うのか?

球団経営という観点で市民球団を考えるとき、市民球団と既存球団の違いは次の2点に集約できるかと思います。
・市民が球団経営に参加している。
・複数企業の出資に支えられている。
後者の複数企業の出資というのは、既存球団の約半数で既に実現しています。具体的に見ると。。。

・オリックスバファローズ:オリックス80%、近畿日本鉄道20%(今後2年以内の早い時期に撤退との前提)
・北海道日本ハムファイターズ:日本ハム74%、北海道新聞社5%、札幌ドーム5%JR北海道2%、北海銀行2%、北海道電力2%、サッポロビール2%、他4団体で各2%
・福岡ソフトバンクホークス:ソフトバンク98%、その他2%
・広島東洋カープ:マツダ34%、松田オーナー20%、松田家の系列会社など7団体または個人で46%
・ヤクルトスワローズ:ヤクルト80%、フジテレビ20%
・横浜ベイスターズ:TBS51.5%、ニッポン放送30.8%BS-i17.7%
・中日ドラゴンズ:中日新聞92.5%、愛知県7.5%

ただ、複数企業の出資といっても、これらの球団と市民球団として考えているスキームはまったく異なります。既存球団では、複数企業の出資をしている場合でも概ね筆頭株主の出資比率が50%を超えており、球団名や球団オーナーも筆頭株主の企業から、という図式になっています。広島は市民球団を標榜していますが、球団名にはマツダの旧社名である東洋を名乗り、経営自体は不特定多数の市民というよりオーナーである松田家に依存しています。ここで考えている市民球団への複数企業の出資というのは、例えば4社×20%というように、特定の一企業が50%超の出資をして支配権を得るというスキームは想定していません。また広島における松田家のような出資企業と密接に関連した資産家による集中支配ではなく、少なくとも1000人以上に小口分散された市民も出資を行い球団経営に参加するというのが特徴になっています。

最近、阪神球団の上場が話題になっていますが、このblogで掲げている市民球団構想では上場はできません。例えば東証では上位10社の出資比率が75%を超えた場合は上場廃止になってしまいますので、4社×20%の安定株主に経営に参加してもらおうと思ったら上場できないんですね。また、市民に出資者になってもらう場合、できるだけ長期的に保有してもらい、長い目で球団を育てて欲しいという狙いがありますので、上場して日々株主が入れ替わるという状況は想定していません。増資により上場すれば、多くの資金を得ることができますが、それは上場した年だけであり、時間がたてば立つほど、M&Aの標的にされるリスクの方が膨らむばかりです。上場のデメリットは、球団側が株主を選べないということであり、八百長うんぬんもそういう悪い株主を入口で排除できないということから言われている話です。じゃあ、株主になる人を制限する規則をつくろう。。。ということになりそうですが、それなら上場しなければいいということになります。しかし、最初だけとはいえ、球団が多額の資金を得るというのは魅力的です。何か資本市場の機能を使って資金を集めるということは考える必要がありそうです。

ところで、ここからが重要なところですが、複数企業が出資していても、その出資比率を抑え、過半数を確保している企業がない場合、球団の経営責任はいったい誰が負うのか?というのが、この市民球団構想の要となる問題です。例えば北海道日本ハムの場合、東京を本拠地としていたときは日本ハム1社で100%出資していましたが、北海道への移転に伴い、地元の10社から計26%の出資を受けるスキームを採用しました。この日本ハム以外の10社は「経営責任はあくまでも日本ハムが負う」という前提で地元球団の出資を引き受けたようです。前に市民球団のオーナーは各出資企業から候補者を立ててもらい、個人出資者の選挙により選出するとしましたが、出資比率が50%未満の横並び(例えば20%)の数社の中から1社オーナー企業を出すというのは、経済原則から行くとどうしても不合理です。不合理なスキームというのは運用していくと必ずひずみが出てしまうものです。これは5%とか10%くらいのオーナー企業出資枠というのを用意しておいて、オーナー選挙に勝った企業がその出資枠を引き受けるということで解決できそう(かな?)です。オーナー企業が交代した場合には、その出資枠に相当する株式を新オーナー企業へ譲渡するわけですね。

このスキームの鍵は、「オーナー企業になるのはメリットがある」かどうかです。そのためには、企業が球団の出資者になるメリットは何かというところから考えていく必要がありそうです。思いつくところは挙げていますが、どうもまだ既存の枠にとらわれすぎている感じもします。IT企業なんかは、球団をコンテンツとして商売で儲けようという発想で、それはそれでいいんですが、そこには市民球団のスキームは不要な気もします。まぁ東北楽天にしろ、ソフトバンクにしろ、地元密着はうたっていますが、オーナー経営者は独裁者であり、市民球団という雰囲気ではないですね。

個人出資者が経営に参加するのはオーナー選挙への参加と球団経営に関して意見を言う場を設定してもらえるという2点です。個人出資者の出資比率は今のところ20%と考えていますが、株式会社における重要事項の決定に対し拒否権を持てるという点で1/3超の例えば35%くらいにするということでもよいかもしれません。重要事項とはもちろん他球団との合併などを含むわけです。この1000人くらいの個人株主は、「村上流のモノ言う株主」であり、球団の価値向上に向けてコメントを出し、オーナーの選挙権をちらつかせながら経営を監視するということですね。当たり前のことですが、1000人の個人株主=球団運営会社の社員ではありません。経営に参加といっても、日々業務をこなしていくというのではなく、外から監視して必要に応じ意見を言い、何かしらの権限(オーナーの選挙権と重要事項の拒否権)を持つというのが、私の考える市民球団における市民の経営参加のスタイルです(今のところは^^;)。

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2005年10月15日 (土)

大阪市は大阪ドームの再建もできないのか!?

お金をかけてドームを造りました。でも計画通りの集客力を確保できませんでした。借金を返すために借金を重ね、とうとう破綻しました。特定調停を申し出て、近鉄に面倒見てもらおうと思ったら、逃げられました。統合球団のオリックスに頼ろうと思ったら、3年待てといわれました。3年間、少しずつ試合数を増やして3年後には単独本拠地にするからといわれたのに、早速、来年の試合数は神戸と半々。。。との約束違反。

オリックスとの口約束を信じた大阪市が馬鹿なのか、行政との約束を平気で破るオリックスが信義に反しているのか。。。107日、とうとう、大阪市の第三セクター「大阪シティドーム」は、特定調停を断念し、会社更生法の適用を大阪地裁に申請しました。

仮に統合球団のオリックスがやってきても人気は見込めず、やってくるのはタダ券を握り締めた弁当持参の家族連ればかり。球団の未来を担うかもしれない大阪の期待の高校球児をクジで射止めたと思ったらとんだ茶番劇。オーナーが慰留した監督を説得するか、別の監督を探すのが仕事のGMが、辞めた監督に言われるままに監督になる意味不明な社内人事。阪神時代の監督の経験ってそんなに輝かしいものだったのか。。。拾い手のいない清原にすがるしかない悲しい弁舌を統合の犠牲者だった選手たちはどう思っているのでしょう?「連続最下位だったチームを仰木マジックでプレーオフ進出を争う位置まで押し上げました。」とマスコミに去年の騒動を記憶喪失にさせるようなチームの影の薄さ。こんなチームに大阪ドームの将来を託していけるのか?

いや、その前に、大阪ドームを破綻させた大阪市は、再建さえもできないのか?まぁ想像していたとはいえ、いざ現実となると、寂寥感に襲われてしまいます。

2001926日。。。あの日のチケットを財布にしまいこんだまま、かれこれ4年の月日が流れ、ボロボロになってきました。あの日が輝きの頂点だったのでしょうか。もう、あの日の輝きは戻ってこないのでしょうか。

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阪神タイガース球団株の上場問題を4つの座標軸で考える

仕事の忙しさもあり(^^; 長期にわたり静観している間に、プロ野球界を取り巻く騒動が想定の範囲を大きく超えようとしています。一つ一つの出来事をどう考えればよいのでしょうか。マスコミの報道は、事実は事実として受け止め、一方で必要以上にとらわれず、本質を見極めたいものです。ということで、今回は、阪神タイガース球団株の上場問題について考えてみたいと思います。この問題については、立場によって考え方の方向性が様々ですので、村上氏、ナベツネ氏、NPBの幹部、ファンという4つの座標軸に分けて考えてみます。

まず、主役の村上氏。この人の座標軸はいたって単純。すべての発想が、「投資家から預かった資金(ファンドマネー)を運用して利益を上げる」ということを判断基準にしています。したがって、球団株の上場を提案した理由も、「それによって村上ファンドの運用益が向上する」ということに尽きるわけです。ファンが経営に参加できるとか、球団経営が透明化されるといったことは、あくまで付随的な側面であり、「それを言うことで世論を味方にできる」から強調しているのであって、マイナス面は覆い隠されているため、球団株の上場によって阪神タイガースがどうなるのかという本質はこの人の話を聞いただけではわかりません。上場するというのは、日常的に球団の株が市場で売買されるということであり、ファンが球団の株を取得するというのは、市場の取引の一形態に過ぎないわけです。したがって、市民球団の理念の一つとして、一市民に過ぎないファンが株主となって球団の経営に参加するということを考えるとき、上場するという選択肢はきわめて非効率です。多くの場合、個人で株式を取得する目的は、配当を得る、売買の差額によりキャピタルゲインを得る、株主優待サービスを得るというメリットを期待するものであり、楽天→TBSやライブドア→ニッポン放送のように巨額の資金を投入する場合は別として、個人株主が経営に参加するという仕組みにはなっていません。もちろん、阪神球団の株が上場されたら、多くのファンが株を買うでしょう。でも、その人たちは短期間で売りとばすでしょうか?ファン心理からいえば、棺おけまで持っていきたいところでしょう。株というのは需要と供給のバランスで価格が決定します。確実に買う人がいる銘柄。。。ファンドマネーを預かる村上氏にとってはまさに宝の山です。阪神タイガースの球団株を上場するということは、村上氏の座標軸で考えると、「阪神ファンの財布の金を搾取し村上ファンドの投資家にプレゼントする」ということに過ぎません。上場によって阪神ファンが経営に参加できるなんて戯言にだまされてはいけません。もう一つ、球団経営の透明化。これは、上場がきっかけになるかもしれないといった程度のことでしょう。そもそも透明化って何?と思いませんか。。。球団の収支を包み隠さず公表する。たったこれだけのことです。村上氏の主張が正論というより、単にプロ野球界のシステムがなってない、それだけのことでしょう。まぁ毒には毒を、という意味で村上ファンドという劇薬を球界に処方するのも悪いことじゃないかもしれませんが。

次にナベツネ氏の座標軸。この人の座標軸は、権力志向と讀賣の繁栄といったところでしょうか。この人は球界に対する権力の濫用に、しばしば野球協約を利用しています。この野球協約というものは法律でもなんでもなく、ナベツネ氏の思惑で球界を牛耳るための道具に過ぎません。それは昨年の球団統合~球界再編騒動で嫌というほど思いさらされました。上場はいかんというのも、その根拠は野球協約。一見、筋が通っているようですが、野球協約そのものの筋が通っていないのですから話がややこしいわけです。ところで、この人が讀賣巨人軍のためにと思って行動すればする程、讀賣が没落していくということを本人は気づいているのか、いないのか?気づいていないなら。。。なんて幸せな人なんだろうと思ってしまいます。それと「プロ野球の球団株を上場したら八百長の温床になるのは何故?」。。。クイズ問題としては面白いかもしれません。まぁこういうアクの強い人がいるということは、悪いことばかりでもなく、使いようによってはプラス面に作用することもあるんでしょう。ただ、彼を使いこなすには、相当の器量と野球協約の理解が必要です。

そしてNPBの幹部の座標軸。誰かといえば、根来コミッショナーに小池パ会長、豊蔵セ会長の3人です。彼らの真の座標軸は意外と知られていないように思います。表面的には無責任で役立たずといった評価をしがちですが、そんなことはありません。彼らはナベツネ氏の座標軸に乗って、ナベツネ氏の思惑通りに動く黒子です。それは、昨年の騒動があったときの動き方を見れば明らかです。根来コミッショナーは「権限がないから何もできない」という無責任体質のコメントのみが一人歩きしていますが、たとえば近鉄の球団命名権売却の話は就任早々に即断で却下していますし、選手会のストの際にも影でそれに対抗する文書をばらまいていました。根来コミッショナーの座標軸は、「ナベツネ氏に都合の悪いことは、権限がないから何もできないとし、都合のいいことは権限をフルに使って行動する」と考えるべきです。小池パ会長は当事者能力ゼロ。主体的に物事を考えることは一切しません。昨年の騒動の中では、ナベツネ氏の思惑をうけ、ロッテ×ダイエーの合併容認をパの他球団に強要し、ダイエー球団を恫喝したという行動のみが目立っただけです。豊蔵セ会長は、役人のトップに上り詰める才人でありながら、天下り天国を繰り返しているうちに人間性を失ったロボットとなり、これまたナベツネ氏の操り人形として職務を遂行しているに過ぎません。昨年は「合併問題で特別委員会は開催できない」という「判断を遅らせる」ことで選手会との交渉を先延ばしにすることがあんたの仕事だとナベツネ氏に吹き込まれたのでしょう。結果として、彼はその職務を全うしました。要するにNPBの幹部の座標軸はナベツネ氏の座標軸に連動している。これが基本形です。阪神の上場問題をNPBの幹部に預けるということは、ナベツネ氏に預けるというのと一緒。ナベツネ氏も「根来コミッショナーが任せるべきだ」って言ってるでしょう。それは「俺の思い通りにさせろ」ってことに他なりません。こんなんで、ファンに愛されるプロ野球界なんて創造できるわけがありません。

最後にファンの座標軸。これはいろんな方向性があるっていうのが最重要なことです。ファンと一口に言ってもたくさんの人間がいるんです。だから座標軸も様々。これが基本形です。だから、「ファンのために球団株を上場する」というのは、あるファンにとっては正論であり、またあるファンにとっては暴論になるわけです。ただ、より多くのファンが望むことは何か、と考えることは、よいアプローチと言えるでしょう。ですから、「上場すべきかどうかファンに問うべき」という村上氏の主張はまっとうなことかもしれません(もちろん、その真意は別ですが)。

ということで、阪神タイガース球団株の上場問題について、4つの座標軸を考えてみました。結局、わかったようで、よくわからない(^^; 状況ですが、私の考えとしては「球団株の上場には反対」に集約されます。私の考えていた市民球団のスキームでも、オーナーズ・クラブという名の個人株主を想定していましたが、それは球団の経営になにがしかの責任と情熱を持った1,000人限定という想定であって、球団株を上場して、日常的に株主が入れ替わるということはまったく考えていませんでした。まぁ阪神タイガースの球団株を上場することにやる価値を見出すとすれば、小泉流の「NPBをぶっ潰す」という破壊効果にあるのでしょう。しかし、それは、昨年、「資本の論理で合併するなどとんでもない。55年の球団の歴史と文化を守るべき」という主張をしていたことを180度ひっくり返し、村上ファンドという100%資本の論理で行動する輩に追随することになるわけで、それはそれで、やりきれない思いも残ってしまいます。

千葉ロッテマリーンズ(たぶん!?)と阪神タイガースの日本シリーズがかすんでしまいそうな最近の動き。プロ野球界を取り巻く座標軸は腐ったものばかり。。。と嘆くばかりではいけないと思いつつ、ため息でしかプロ野球界を見つめられないこの頃です。

それにしても、久しぶりにコメントしました~

blogやってますなんて、言えませんね(^^;

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