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2005年11月26日 (土)

「トヨタが「プロ野球」を持たない理由」を読んで

前のエントリーのコメントにあった池島さんご推薦の本、読みました(^^)
前半は、他の書籍の受け売りとか、知っている話が多かったのですが、後半は読み応えがありました。特に中国の情報は詳しいものがほとんどないので、参考になりました。かの国は12億人もいるんですから、「ブレイクスルーするのは時間の問題か」という話もまんざらではありません。しかし、日本の企業は中国のチームに結構、出資してるんですね。プロ野球発展のため、というより、中国市場を開拓するための手段のようですが、まぁそれでアジアリーグなんかが盛り上がってくればNPBも活性化していくキッカケになるかもしれません。
あとは球団数拡大で4球団×4地区体制を目指そう、そのためには球団数拡大が必要で、複数スポンサーによる球団経営を認めさせよう、という主張も共感できますね。ただ著者に言わせると、「1リーグ16球団で4球団×4地区」がよろしいということですが、「2リーグ16球団で、4球団×2地区×2リーグ」とどう違うのか?がよくわかりません。その辺の解説が少ないんですが、4地区の優勝チームを決めて、日本一決定シリーズを4球団のトーナメントで、ということのようです。でも、「改革」は既存のものを破壊すればいいってものじゃないわけで、セパの歴史を受け継ぎつつ、進化していくというスタイルも捨てがたいんですよね。。。まぁハタ目にはどっちも同じようなもんじゃない?と見えそうですが(^^;
ところで、複数スポンサーは現在、半分以上の球団で実現しているので、「複数スポンサーによる球団経営を認める必要があるだろう」という言い回しはちょっとおかしいですね。過半数を出資する企業の存在しない状況を想定しているなら、そう明記すべきですし、それこそが市民球団構想と軌を一にするわけで、その状況での球団経営のあり方といった方向に話が展開してもらえるとありがたいお話となったのですが。。。本では瀬戸内カープが例として挙げられていますが、これは著者の考えではなく、一橋総研理事の下前雄氏の考えを披露しているにすぎません。さらに、「自球団以外の球団にも共同出資して、球団経営が軌道に乗るまで面倒を見る企業があってもいい」の下りは、今、楽天がさんざん叩かれている野球協約第183条に真っ向から違反しましょうということになりますが!?
注目すべきは、サントリーの佐治社長がプロ野球への参入に興味を示しているっていうところです。本気だとすればうれしい話です。「今のままの球界じゃダメ」ってことですが、市民球団構想にのってくれるでしょうか???。。。いや、話にのってくれるような構想をつくっていかなくてはいけませんね!
今の球界は、「企業のためのプロ野球」という軸と「ファンのためのプロ野球」という軸がうまく交わっていない。。。というよりそっぽを向いている状態なんでしょう。「企業のためであり、なおかつファンのためでもあるプロ野球」を目指すことはできないのでしょうか?本では、トヨタが中国のCBLに参入することを期待していますが、トヨタが「プロ野球」を持たない理由というのは結局、NPBには魅力がない、期待も持てないということなのか。。。今のプロ野球には魅力がないからトヨタがプロ野球を変える!という位の展開にして欲しかったですね。
その前に。。。トヨタにはF1も変えて欲しいですね。

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コメント

 紅の牛さん、コンニチワ。
BLOGに感想文書いて頂き有難う御座いました。
 「トヨタが・・・」の著者は経営評論家であるため、プロ野球に少し疎い部分があるなとは本を読んで私も思いました。
 本の内容通りに06年から07年にかけて大きな動きがあると思います。西武は間違いなく身売り(京セラ?)をするでしょうし、ヤクルト、オリ、ベイ、ワシもこの先どうなるか判りません。
 サントリーの佐治社長のプロ野球の参入に関するコメントは、毎日新聞や経済誌「BOSS」にも同じ様な内容が掲載されていました。サントリーは3千億円のM&A資金を準備しています。少しでも良いから大阪市民球団に出資してもらえないでしょうかね。佐治社長の心を動かすだけのスキームを作らなければいけないですね。
 去年Buの買収を検討していたと噂のあった花王の尾崎社長は、週刊「ダイヤモンド」でM&A戦略について「対象となる相手に花王の持っていないリソース(資源)があり、相乗効果があれば、積極的に検討していく。」との意味深(思い込みかもしれません。)なコメントが掲載されていました。
 サントリーや花王がオリを買収して、大阪に密着した球団を作り、それをみんなで支えていける様なシステムになればうれしいです。これからは、スポーツ面だけでなく経済面もしっかりと見ていかなければならないですね。

投稿: 池島 | 2005年11月27日 (日) 16時28分

いつもBLOG興味深く拝見しております。

「企業のためであり、なおかつファンのためでもあるプロ野球」には大変共感を覚えました。個人的には、Jリーグやbjリーグのように、リーグ全体が一つの企業(組織)となりその利益を追求するシステムが、現状では最善の策かなと感じています。ファンのための視点がちょっと弱いのですが...

投稿: かばだ | 2005年11月28日 (月) 01時19分

はじめまして。

最近こちらのブログの存在を知り、拝見しているものです。
実は掲題の本を読んでいないため話半分として聞いて頂きたいのですが、
> サントリーの佐治社長がプロ野球への参入に興味を示している
こちらの件、個人的には10年以上前にも同じようなことを聞いたことがありまして、その際は、
「非常に興味はあるのだが、宣伝効果以上に特定の球団を持つことによるリスク、つまり”既存球団のファンがサントリー製品の購入を控える可能性がある”ということも考慮しなければならない」
という結論だったのです。

例えばですが、
「サントリー×阪神@甲子園」
というカードがあった場合、
「サントリーのビア樽を担いだ売り子さんはレフトスタンドの最上段のみ巡回していれば良い」
という状態になる、ということでした。

極端な例を挙げましたが、もの凄いリスクではないでしょうか…

投稿: Eagles fly free | 2005年11月29日 (火) 00時00分

●池島さん、こんばんは~

>西武は間違いなく身売り(京セラ?)をするでしょうし、ヤクルト、オリ、ベイ、ワシもこの先どうなるか判りません。

本では、そこまで書いてませんよ(^^;
とはいっても、1つ2つの身売りの可能性はありますね。統合・合併だけはゴメンですが。。。
かといって、以前、ホリエモンの言ってた「球団オークション」みたいな、たたき売りも困りものですが。

●かばたさん、はじめまして~

ファンのためのプロ野球協約。。。このブログも取り上げていただき、ありがたく拝見しております。何かコメントを、とも思っているのですが、野球協約の個々の条文をどう見直そうか、というのを考える前に、NPBの将来ビジョンとか、球界のガバナンスをどうすべきか、といったことについて考えをまとめてからでないと、「ダメだし」はできるのですが、「どう直すべきか」までのコメントができません(^^;。まぁ、野球協約については、気づいた点はこのブログでも随時取り上げていきますので、よろしくお願いします。
また、このブログにコメント頂き、ありがとうございます。

>「企業のためであり、なおかつファンのためでもあるプロ野球」には大変共感を覚えました。

「言うは易し、行うは難し」の理想論であることは承知の上ですが、両方のベクトルを一致させようとする方向性を持たせることが必要なんだと思います。ディズニーランドは顧客満足を追求することでリピーターを増やし、結果として収益を向上させているわけです。「顧客満足のためにコストをかけて結果として収益を向上させる」ためには、コストのかけ方を工夫する必要があります。無料チケットを無策でばらまくんじゃあダメなんですよね。具体的な話となると、何と言っても千葉ロッテです。最近は、球場の指定管理者になったり、球場にVIPルームとかスポーツバーを設置する計画があるとか、ANAと提携してスタジアムアテンダントをおくとか。。。ファンは球場に足を向けて、お金を落としていきつつ満足感を得る。球団は、観客動員増で収益を挙げ、親会社にとってもイメージ向上は多大な広告効果となるでしょう。

>Jリーグやbjリーグのように、リーグ全体が一つの企業(組織)となりその利益を追求するシステム

リーグとしての一体的な利益(競争相手は他のスポーツ競技や余暇・娯楽産業か?)を目指すのはよいことですが、リーグ内の球団はライバル関係にあるわけですから、そのメリハリをどうつけるかが組織(NPB)としての腕の見せ所と思います。現状のNPBは、各球団が自球団の利益のみを追求し、せめぎ合っている状況のため、リーグ全体の収益を最大化しようという観点が欠けています。逆を言えば、NPBには改善の余地がたくさんあるということですから、役立たずのコミッショナーとセパ会長を罷免して、新しく一体的な組織を立ち上げ、適材適所の人材を登用すれば活性化するのは間違いないと思っています。とにかく重要なのは「人」ですね。

●Eagles fly freeさん、はじめまして~

夢球団設立連絡会でのコメントとブログの方、拝見しました。今後とも、よろしくお願いします。
また、このブログにコメント頂き、ありがとうございます。

>既存球団のファンがサントリー製品の購入を控える可能性がある。。。

前のエントリーでもコメントしていますが、私もこの本読むまでは、その話しか知りませんでした。トヨタにしても、他球団のファンが車を買わなくなる、というのが参入しない一つの理由とされています。ここで、少し長くなりますが、著者のコメントを引用してみます。
「従来のサントリーは、球団を持つことで他球団のファンがサントリービールやサントリー製品を買わなくなる、とプロ野球への参入には難色を示していた。だが、市場がグローバル化するなかで、その視点は大きく変わりつつある。世界市場での熾烈な競争に生き残ってきた勝ち組が、さらにシェア増を図るためのイメージ向上に各社が腐心している。」
佐治社長の話としては、「。。。さらに世界の舞台で大リーグと戦えるようになれば、参入する気持ちは大いにある。」と結ばれています。
仮にサントリービールが甲子園で全く売れないとしても、イメージ向上により世界市場で大きなメリットを得られるなら参入を考えるという趣旨のようですね。もちろん、甲子園はダメでも、本拠地ではサントリー一色(ビールにワインにウィスキーにジュースも)にすることも可能です。
ところで、市民球団の場合は単独企業ではないので、球団名にサントリーはつきません(たぶん^^;)。それをデメリットではなく、他球団のファンの顧客を失うリスクを軽減するというメリットとしてとらえてもらえるとありがたいです。広告戦略に長じているサントリーですから、球団名に企業名がつかなくても、大阪ドームにサントリーバーでもオープンして(千葉ロッテの真似っぽいというのが悔しい)うまくやってくれるんじゃないかと思うんですがどうでしょうか。

投稿: 紅の牛 | 2005年12月 2日 (金) 00時09分

お返事、ありがとうございます。
只今アンチミキティ派の方に攻撃を受けている当ブログですが、今後もよろしくお願い致します^^;

それはともかく。
佐治会長の考え方、私の存じていたこととは変わっていたのですね。
失礼致しました(&前のエントリーを見逃しておりましたm(_ _)m)
この考え方であれば、仰る通り市民球団設立の際に企業名が出ないことを「メリット」と考えて頂くことも可能ですね。
(真似っぽいのには目を瞑り^^;)かなり期待を抱いてしまいます。

ただ。
> 佐治社長の話としては、「。。。さらに世界の舞台で大リーグと戦えるようになれば、参入する気持ちは大いにある。」と結ばれています。
この、
「大リーグと戦えるようになる」(=クラブチーム世界一のことを指していると仮定)
までの道程、現段階ではかなり遠いと思わざるを得ません。
本来これらの旗振り役をすべきNPBはWBCの件でさえ王監督に一任したような形でリーダーシップを発揮できておらず、クラブチーム世界一決定戦に積極的な姿勢を見せているバレンタイン監督を援護するような発言も聞かれません。

う~ん…
諦めずに、声をあげ続けていくしかありませんね…

投稿: Eagles fly free | 2005年12月 4日 (日) 16時16分

Eagles fly freeさん、再度のコメント、ありがとうございます。

>「大リーグと戦えるようになる」(=クラブチーム世界一のことを指していると仮定)までの道程、現段階ではかなり遠いと思わざるを得ません。

そのための準備として、アジアの地域が一体となって、ポストシーズンを盛り上げていき、MLBに対等な相手として認めてもらうという努力が必要なんでしょうね。その辺は次のエントリーにまとめてみました。

目標が大きければ大きいほど、長期的なビジョンを持ってことに当たらなければ何もできません。まずは多くのファンがプロ野球に夢を持ち、その夢を語るということが出発点になるかと思います。

ということで、これからもよろしく~

投稿: 紅の牛 | 2005年12月 5日 (月) 00時17分

名古屋トヨタドラゴンズ
東京LIXILスワローズ
千葉イオンマリーンズ
埼玉NTTライオンズ

投稿: ロキュータス | 2017年3月26日 (日) 17時40分

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