アンケートの多変量解析によるマーケティングリサーチ
6月4・5日に藤井寺市民フェスタが行われ、参加してきました。藤井寺球場の見納めということもあり、讀賣新聞の発表では5日の日曜日は57,500人もの人出があったそうです。警察発表の予測では5万人ということでしたので、予測的中といったところでしょうか。
藤井寺市民フェスタでは、夢球団設立連絡会の活動の一つとして大阪市民球団に関するアンケートを行い、348名もの方に協力していただきました。ご協力いただいた方(...でこのblogにたどりついた方^^;)、ありがとうございました。
アンケートでは、大阪市民球団への関心度や、市民球団の形態(NPB、新しいプロリーグ、社会人野球)、本拠地の希望、好きなチームカラー、どのチームのファンか、試合観戦の頻度、年齢、性別、住所といった基本的な属性などが質問項目として挙げられていました。
アンケートの質問ごとに結果を集計していくと、「藤井寺市民フェスタに来た人」の市民球団に対する考えや野球への関心度、基本属性の分布状況がざっくりとわかります。ただ、この結果は「藤井寺市民フェスタに来た人」の平均像を表しているものなので、マーケティングに使うには少々モノ足りません。
そこで、例えば、藤井寺市に住んでて野球への関心度が低い人(例えば試合観戦が少ない人)のグループを「近所のお祭り目当てで来場したライトな野球ファン」、逆に藤井寺市以外に住んでて野球への関心度が高い人のグループを「遠方の藤井寺球場に別れを告げに来たディープな野球(近鉄?)ファン」と定義して、グループごとにアンケートの集計をやり直します。定義については、かなりこじつけ的な部分もあると思いますが、この辺はセンスの問題!?
で、各グループの集計結果と全体の平均的な集計結果とを比較して、極端に違う結果がでたところ(ここがポイント!)をそのグループの特性として抽出していきます。
こうして、いろいろなグループの特性を調べていくと、例えば、「ライトな野球ファンは讀賣ファンが多く、また大阪市民球団への関心度が高い。」とか、「阪神ファンは大阪市民球団のNPBへの参入を希望しない人が多い。」といったことがわかる。。。かもしれません。
そこで、「ライトな野球ファンに讀賣以上の露出や密着感を与えて市民球団に引き込もう」とか「阪神ファンは阪神の存在に満足していてつけ込む隙がないから相手にするのはやめよう」といった顧客の特性に応じた広告宣伝や事業展開の立案を効果的に行うことができるようになるというのが、多変量解析によるマーケティングリサーチの利用方法です(私の理解の範囲では^^;)。
もちろん、本格的な多変量解析をやるとなると、変数間の関係を式で表してうんぬん。。。とややこしいことをやる必要があるのですが、上のような単純な方法(偽多変量解析^^;)でも「いろいろな傾向」は読みとれると思います。他にも回答項目間の相関をとるとか、年齢層ごとの結果を比べ「年齢が上がるほど藤井寺球場への愛着が高い」といった傾向を見るとか、いろいろな分析方法があります。
で、ある程度、予想された結果が出た場合は、「やっぱりそうか」でおしまいです。それでも予想が正しかったという確認ができたというのが成果になります。問題は予想外の結果(ここがアンケートの真の成果!)が出たときにどう判断するかです。例えば、「阪神ファンでも結構NPBへの参入を希望する人が多い。」という結果がでた場合、「阪神ファン→大阪市民球団ファンへの移行」を考えているのか、「あくまでも阪神ファンが主だが大阪市民球団もみてみたい」という程度なのかを見極めることが重要です。そこで、該当するアンケート用紙を取り出して、「この人はどういう人か?」「どういう思考経路でこんな回答をしたのか?」というのをつらつらと考えるわけです。
あの2日間、夢球団設立連絡会のブースの周りに渦巻いていた様々な人の様々な想いをアンケートの分析を通して顕在化していければいいなぁ~と思います。
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