市民球団って何?
考えても考えても、「これや」っていう答えがでてきません。
「市民参加」「地域密着」などの言葉をつなぎ合わせれば、「市民球団」らしいものは表現できます。で、それは何?と突っ込まれるとうまく説明できません。やはり、誤解は承知の上で、具体的な定義をしてみないことには始まらないような気がします。
まず「市民」。広辞苑によると
1.市の住民。都市の住民。
2.国政に参与する地位にある国民。公民。広く、公共性の形成に自律的、自発的に参加する人々。
3.ブルジョアの訳語。(こんなんあり?)
1の「市の住民」は「大阪市に住民票をおいている人」というイメージですが、大阪市民球団の「市民」は1ではなく、2の後半の「広く、公共性の形成に自律的、自発的に参加する人々」の部分でしょう。ここをもう少し掘り下げてみます。再び広辞苑に頼ると(^^;
・公共性:広く社会一般に利害や正義を有する性質
これまたややこしい。。。「利害」って何?「正義」って何?
・利害:利益と損害
・正義:正しいみちすじ。justice!社会全体の幸福を保証する秩序を実現し維持すること。
ん~なんで「利益」だけじゃなくて「利害」なんでしょう?ちなみに「公共心」を調べてみると、
・公共心:公共の利益を図る心。公共に尽くす精神。
これはわかりやすい(^^)。ついでに「公共財」は?
・公共財:その便益を多くの個人が同時に享受でき、しかも対価の支払者だけに限定できないような財やサービス。公園・消防・警察など。
さすがに、大阪ドームが公共財とは書いていません(^^;
とりあえず先に進むと。。。
・自律:自分で自分の行為を規制すること。外部からの制御から脱して自身の立てた規範に従って行動すること。
・自発:自ら進んで行うこと。
「自律的」の方は、してはいけないことをぐっとこらえて行動するというイメージ、「自発的」の方は、自らの意思で積極的に活動(いきいきと行動すること)するというイメージが感じられます。
それでは、これらをつなぎ合わせてみます。
「市民」とは、「広く社会一般で、お互いに利害関係を持ちながらもみんなが幸福になれるよう、我慢すべきところは我慢しつつ、自ら進んで活動しようとする人々」である(by広辞苑)。
それでは「市民参加」は?というと、「市民」の意味の中に「参加」が入っているので、ほとんど同じ意味合いになりそうです。
この辺で、プロ野球球団としての「大阪市民球団」の「市民」にブレークダウンしてみます。まず「みんなが幸福」っていうのはどういう状態でしょうか?例えば、球団が勝ち続ける状況は、「その球団を応援している人々」にとっては幸福ですが、リーグ戦であることを考えると、その分、負けている球団があるわけですから、広く社会一般が幸福とはいえません。この辺が、「利害関係」とか「我慢すべき」に絡んできそうです。「勝つ喜び」を分かち合える状況。これが「みんなが順番に幸福になれる」一つの状況かと思います。しかし、それだけではモノ足りません。
「利害」「みんな」「我慢」という言葉から想像できるのは、「個人」ではなく「集団」、それも単なる集まりではなく、「みんなが幸福になれる」という目的意識を持った「コミュニティ(共同体)」。そのコミュニティの活動として考えられるのは、「スポーツ(特に野球)をやる・みる・考える活動」。で、こういったコミュニティの形成を演出するのは球団そのものよりNPO法人が適しているでしょう。そして「自発的な参加」の具体的な行動の第一歩はNPO法人の会員になること。もちろん、この役割を担うNPO法人は球団によってつくられたものでは不十分です。その点、大阪市民球団は、NPO法人が起点となって球団を創っていこうとしているのですから、市民球団の理想型と言えるのではないでしょうか。
以上より。。。「市民球団」の一つの定義
「スポーツ(特に野球)をやる・みる・考える活動を行うNPO法人の会員により形成されたコミュニティに支えられた球団」
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