「トヨタが「プロ野球」を持たない理由」を読んで
前のエントリーのコメントにあった池島さんご推薦の本、読みました(^^)
前半は、他の書籍の受け売りとか、知っている話が多かったのですが、後半は読み応えがありました。特に中国の情報は詳しいものがほとんどないので、参考になりました。かの国は12億人もいるんですから、「ブレイクスルーするのは時間の問題か」という話もまんざらではありません。しかし、日本の企業は中国のチームに結構、出資してるんですね。プロ野球発展のため、というより、中国市場を開拓するための手段のようですが、まぁそれでアジアリーグなんかが盛り上がってくればNPBも活性化していくキッカケになるかもしれません。
あとは球団数拡大で4球団×4地区体制を目指そう、そのためには球団数拡大が必要で、複数スポンサーによる球団経営を認めさせよう、という主張も共感できますね。ただ著者に言わせると、「1リーグ16球団で4球団×4地区」がよろしいということですが、「2リーグ16球団で、4球団×2地区×2リーグ」とどう違うのか?がよくわかりません。その辺の解説が少ないんですが、4地区の優勝チームを決めて、日本一決定シリーズを4球団のトーナメントで、ということのようです。でも、「改革」は既存のものを破壊すればいいってものじゃないわけで、セパの歴史を受け継ぎつつ、進化していくというスタイルも捨てがたいんですよね。。。まぁハタ目にはどっちも同じようなもんじゃない?と見えそうですが(^^;
ところで、複数スポンサーは現在、半分以上の球団で実現しているので、「複数スポンサーによる球団経営を認める必要があるだろう」という言い回しはちょっとおかしいですね。過半数を出資する企業の存在しない状況を想定しているなら、そう明記すべきですし、それこそが市民球団構想と軌を一にするわけで、その状況での球団経営のあり方といった方向に話が展開してもらえるとありがたいお話となったのですが。。。本では瀬戸内カープが例として挙げられていますが、これは著者の考えではなく、一橋総研理事の下前雄氏の考えを披露しているにすぎません。さらに、「自球団以外の球団にも共同出資して、球団経営が軌道に乗るまで面倒を見る企業があってもいい」の下りは、今、楽天がさんざん叩かれている野球協約第183条に真っ向から違反しましょうということになりますが!?
注目すべきは、サントリーの佐治社長がプロ野球への参入に興味を示しているっていうところです。本気だとすればうれしい話です。「今のままの球界じゃダメ」ってことですが、市民球団構想にのってくれるでしょうか???。。。いや、話にのってくれるような構想をつくっていかなくてはいけませんね!
今の球界は、「企業のためのプロ野球」という軸と「ファンのためのプロ野球」という軸がうまく交わっていない。。。というよりそっぽを向いている状態なんでしょう。「企業のためであり、なおかつファンのためでもあるプロ野球」を目指すことはできないのでしょうか?本では、トヨタが中国のCBLに参入することを期待していますが、トヨタが「プロ野球」を持たない理由というのは結局、NPBには魅力がない、期待も持てないということなのか。。。今のプロ野球には魅力がないからトヨタがプロ野球を変える!という位の展開にして欲しかったですね。
その前に。。。トヨタにはF1も変えて欲しいですね。
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